久しぶりに夜遊びをした 。
友人がイベントをやるから
夫に「行こう」と誘われたのだ。
ちょうどそのとき
私は前から欲しいなと思っていた
ワンピースが値下げされていて
購入しようか迷っていた。
普段着るには少し派手な気がする
柄物のワンピース。
気分を上げるため
これを着て遊びに行こうと
思い切って買ってみた 。
イベントに行くと
約15年前、毎日のように
ふざけあい笑いあった
友人ばかりで溢れかえっていた。
何人かに
「ワンピース 可愛いね 。」
と褒められた。
思い切って買ってよかった。
こうしておしゃれをして
きちんとメイクをして
遊びに出かけたのは
久しぶりのことだった。
奥に進むと、 昔よく遊んでいた
かえでちゃんがいた 。
お互い出産も同じ時期で
子供が保育園に行くまでは
よく遊んでいたが
ある頃から疎遠になった 。
その後もイベント会場で
顔を合わすことはあっても
話し込むことはなかった。
しかし、その日は 会話が弾んだ 。
お互いを見つけると
まず私のワンピースから話は
ファッションのことから始まった。
人との会話を楽しめたのも
久しぶりだった。
かえでちゃんとの会話中も
知り合いが来ると
「こんばんは。暑いね 。」
「あー!久しぶり。
Facebook で活躍は 見てるよ 。」
と 挨拶程度に声をかけた 。
すると、その様子を見ていた
かえでちゃんが
「あおちゃんはそういうところが
上手だよね 。私にはできない。
私よりもずっと友達が多いと思う。
ちゃんとしてるよ 。」
ちゃんとしている?
その言葉に私の心はザラついた 。
「ちゃんとしてなんかないよ 。
私、精神障害者手帳を持ってるよ 。」
仲が良かったはずなのに
疎遠となっていた彼女には
そのあたりの話をしていなかった 。
かいつまんで説明をすると
「あおちゃんは考えすぎるんだよ。 」
派手かな、どうかなと迷いながら
思い切って購入したワンピースも
「あおちゃんのイメージはそうだよ。 」
それは鬱で沈んでいる私を見ていない
かえでちゃんにとって?
それともそれが本来の私なの?
そして別れ際には
「私たちもっと会おうね。」
と言った。
かえでちゃんの語尾はとても優しい。
なぜ
かえでちゃんともっと
話をしなかったのだろう。
こうして話ていると
こんなに気持ちが 楽になるのに 。
ふと気がつくと外は明るくなっていた。
「たった一晩の徹夜で躁転することが
あるので気をつけましょう。」
そんな情報を見つけると怖くなる 。
慎重になりすぎて臆病になっていた。
「私たちもっと会おうね。」
そうだ、もっと会おう。
もっと気楽に楽しもう。
人生は長いようで、きっと短い。
【2020/10/6 追記】
その後、かえでちゃんとは1度も会ってない