ある場所で
江戸時代の お雛様を見たことがある 。
そのとき私は軽躁状態。
異様なオーラを放つ
江戸時代のお雛様。
ネズミに頭かじられてる人もいる。
五感が研ぎ澄まされた状態では
もうホラーでしかない。
リアルに『生』を持つ
両サイドの生花よりも
人形たちのほうがはるかに
鬼気迫るリアルがあり
恐ろしくなった。
軽躁状態なので
もちろん気軽に 誰にでも話しかける。
係の人に あーだこーだ 言っていたら
「霊感があるほうですか ?」
なんて言われた。
いやない。断じて、ない。
「私たちも お雛様の前を通るときは
『 失礼します 』と 声をかけるんです」
やっぱり、そんな感じね。
午前中に見た そのお雛様たちは
夜になっても 頭から離れない。
あぁ見るんじゃなかったなと
軽く後悔しつつ 、軽く片っ端から
知り合いに電話してみる。
ちょうどお店で呑んでいた
友人のもとへ猛スピードで会いに行った。
「今頃、あのお雛様たち絶対 動いてるよ!
太鼓叩きながら 踊りまくってるって!」
と、ポッキーを両手に1本ずつ持ち、
軽快に太鼓を叩く仕草をしながら
わけのわからないことを 言っていたのを
今日、思い出した。
今見たら それほど怖くないんだろうな。
あのお雛様 。
それともやっぱり
今頃みんなで踊ってるのかな
あのお雛様。