車の運転に必死だった。
お薬増量中の今 、いくら主治医が
「片道15分くらいの運転なら
大丈夫だと思いますよ 」
と言おうが、とにかく必死なのだ 。
子供の習い事の送迎で、車を運転せざるを得ない 。
特に夕方は急いでいる車や
自転車で帰宅する学生なども多く
より注意力が必要となる。
突然、長男が
「母さん!右側見て」と言った。
え?何?車が来てるの?
それとも自転車?
予想に反して
目に飛び込んできたのは
ブルー、ピンク、パープルと
絶妙なグラデーションの空だった。
その一部は虹のようにも見える 。
「うわー!綺麗だね」
「母さん、オーロラみたいだね 。すごいね」
子供を送り届けた後、車を停めて空を眺めよう。 刻々と変わりゆく空の様子を眺めたかった 。
けれど、ほんの僅かな時間であの幻想的な色合いは幕を閉じていた 。
一瞬であっても 圧倒的な美しさを前に
「幸せだ」
そう思った。
誰かが言ってたっけ。
「この世界は美しい」って。