夏の終わりはなぜか無性に寂しくなる。
うだるような暑さに、うんざりしていたくせに 肌を撫でる風が 急に冷たくなると 無性に寂しくなるのだ。
今日は月1の診察日だった。
受付に診察券を出すと 「今日、○○先生はお休みで 別の先生になります。」と言われた 。
通院して約5年、 初めてのことに戸惑った 。しかし、なぜ休みなのかを 聞いたところでどうにもならないし、せっかく来たのに、また後日診察してもらうのも面倒だ。
「 はい。」とだけ返事をした。
朝晩、飲んでいたロラゼパムを 1日1錠に減らし約1ヶ月。 聞きたいことが色々あった気がするが、主治医でないのなら やめておこう 。
私は、うんと疲れているのだ。
診察室に入ると 茶色い髪を後ろで一つに まとめた 保育士のような女医がいた。 甲高い声で なだめるように話すが、マスクから覗いている目は死んでいる 。
私もこんな目をしているのだろうかと ぼんやりと思った。 死んだように無気力に生きている気がする。 当たり障りのないことだけを話して、 前回と同じ薬を もらう。
ガサガサと薬の袋をぶら下げ
いつもの帰り道を肩を落として
とぼとぼ歩く。
季節は変わりゆくのに、
良くも悪くも私は変わらない。